2014年5月20日
伊東尚子さんの作品「無題」の口を開けて寝る姿のデッサンは技量の豊かさがにじみ出てくる。ほんの一瞬の姿をデッサンし、ユーモラスな感性でとらえる大作を見てみたい。
折茂則子さんの人体のうち、左側の多色の作品の醸し出す雰囲気が好きだ。モデルの目がこちらを見つめ、何か訴えてるような気がする。
田島洋子さんのキノコビト達からエネルギーが立ち上る。方向性や表現は異なっているがアナトミカルデッサン会の各人が共通に持つエネルギーだ。基本的には創作を楽しみ、個性豊かに真摯に作品を作る。そんな仲間がいることはうらやましい。
近藤たかしさんの作品はコンポジションcが秀逸だ。油絵の具の持つ力強さがマチエールを通して見る者を圧倒する。
松本千穂子作品では「グロリオサ」だ。上品な香りが漂う美しさに仕上がっている。絹地ににじむ岩絵の具を楽しむ余裕が心にくい。
同じ日本画でも采悟子さんの「ノスタルジア」はデイテ―ルにこだわり、すみれの花弁の持つ美しさに真摯にむきあい、繊細だ。ルドンの絵を彷彿とさせる。
臼倉久美子さんの日本画は堂々とアカデミックにシャコバサボテンを表現する。刷毛のていねいな仕事ぶり、密度の高い表現力は素晴らしい。
吉野路代さんの作品は独特だ。毛糸の様なからまった線が画材を重ね、きれいな色調を醸し出す。
原恵美子さんの「春Ⅰ」は優しく穏やかなお人柄がにじみ、モチベーションが素直に伝わる秀作だ。