2014年6月4日
「民族衣装の人」は若い女性の背筋をのばした姿が美しい。
彩やかな岩絵の具の響きあいが上品で奥木晃代さんの
実力が発揮されている。
箔やハケの仕事で混㹠とした白濁色の他から繊細な
線で浮かびあがる「ニゲラ」へのおもいが匂い立つ。
帯屋恵子さんの心象風景が額まで広がり幻想的な
世界にひきずり込まれる。
小林千恵子さんの「躑躅」は初々しいが真摯な
制作態度がにじみでる秀作になっている。
「装」の高橋恵子さんは華やかで存在感がある。
ていねいにモチーフに寄りそい、質の高い
作品に完成させた。
東條恭子さんの「見つめる」の眼に込められた
意志の強さは見る者に力を与える小品ながら
緊張感のある完成度の高い可愛らしい作品だ。
松本千穂子さんの「戯る」は実力が十二分に
発揮されて色彩、デッサン共に優秀だ。絵全体
の動きとすずめそれぞれの動きがあり見事だ。
お孫さんの「陸」はとにかく可愛い。しかも
頭部の形を日本画ではめずらしく正確になって
いる。
矢野美枝さんの「初秋」の草むらの表現は
心うばわれる。水面に映った草むらまで美しい。
山つばささんの「華」が好きだ。てらいがなく
にぎやかにガーベラの持つ、ハナヤカサが表現
されている。